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日記です。徒然と。

祝! 羽生善治さん永世7冠記者会見まとめ

羽生善治さん永世7冠誠におめでとうございます!
記者会見の模様をまとめましたのでよかったらご覧ください。
 
――永世7冠を取った今の気持ちは?
「非常にうれしい気持ちもあります。竜王戦では何度も負けてきたことがありますので、そういう意味で結果を出せたのは充実感も感じています。」
 
 
――2008年、2010年と挑戦されて、2008年3連勝と惜しかったこともあったがそれも踏まえかなり気合いが今回入っていたのでしょうか
「本戦トーナメントでもかなり厳しいところもあったし、挑戦者になれたのも非常に幸運だった。1回のチャンスを活かしきらないと次がないかもしれないし、もしかしたら最後のチャンスかもしれないと望んでいました。」
 
 
――シリーズ全体を総括して今どうお考えか
「渡辺さんとかなり対局してきていましたが、2日制のシリーズでは勝ったことがなかったので、今回は挑戦者らしく積極的に前に進んでいこうという気持ちでシリーズを通じて考えていました。結果としてうまくいかないというケースがあったとしても、そういう姿勢で臨んでいくことが悔いが残らないんじゃないかという気持ちでいました。」
 
 
――内容的には納得の形でしょうか
「細かいミスはあったとは思うんですけど、現状の自分の持っているものは出し切れたと思います。」
 
 
――永世7冠の大記録を前にどんな心境で今日は対局に望まれたのか
「緊張感みたいなものもありました。緊張感を持って対局ができること事態が棋士にとっては名誉であること、緊張感と同時に将棋そのものを楽しんで、自分らしい将棋を心がけていました。」
 
 
――羽生さんが感じているプレッシャーはどんなものなのか
「一手のミスで長時間有利であっても逆転してしまうのが将棋なので、最初から最後までテンションを保って集中していくってことを考えていました。」
 
 
――タイトルを極めたという感じになると思うが、今後何を目指して戦われるのか
「将棋そのものをどこまでわかっているのかと言われたらまだまだ何もわかってないというのが実情だと思うので、これから自分自身が強くなれるかわからないですけれども、そういう姿勢、気持ちを持って次に向かっていけたらと思います。」
 
 
――7冠が決まった瞬間の体感としてどんなことを思われたのか
「終わった瞬間はちょっとほっとするというか、緊張感、緊迫感が少しやわらぐ瞬間でもありました。」
 
 
――鹿児島は非常にゆかりのある場所だと思いますがこの場所で7冠永世になった感想を
「鹿児島の対局は少ないほうでした。ゆかりのある場所で達成できたのはうれしかったです。」
 
 
――タイトル獲得が99期になった今までに思い出に残るシリーズがあれば
竜王戦で言えば一番最初に出た第2期のときと2008年の最終局までいったシリーズが竜王戦の中では特に印象に残ってます。」
 
 
――来年夢の王台の100期がかかっているが、それの意気込みを
「最近はたくさんの若い棋士が台頭してきて自分自身も厳しい状況にあると思ってますけど対局戦の舞台に出るからには自分なりにいいコンディションを作って来年以降もがんばっていけたらいいなと思ってます」
 
 
――届きそうで、届かず挑戦もちょっと間があきというような状態だったが挑戦が決まる前なんとしても永世7冠を取るぞって気持ちは? 気構えはかなりかたいものがあったのか
「10代20代のときと違って出られるかどうかは何の保証もないわけですので、そういう意味では今回のシリーズは自分なりにできるなりのことをして悔いの残らない対局をしたいという気持ちでした。結果はやってみないとわからないので、自分の現在のできる限りのことをして臨もうという気持ちでいました。」
 
 
――47歳という年齢で若い人も出ているという状況で今年タイトルを失うということもありましてその辺の年齢的な大変さをご自身感じているのか
「ここ最近は将棋そのものの内容が大きく変わってきているのでそれについていくとか理解していくのが難しくなってきているのが実情としてあります。若く研究熱心な棋譜を勉強しながら自分自身もいいところを取り入れていかなくてはいかないとと感じることがここ1、2年非常に多いです。」
 
 
――今回の勝因は?
「自分なりに思い切った手を指すことができたのがいい結果につながったと思います」
 
 
――印象に残った1手は?
「第4局の飛車を66に逃げた手が非常に苦労したところだったので印象に残っています」
 
 
――今年は将棋界が大変注目されて将棋の魅力が伝わった1年だったかと思いますが、藤井4段の連勝記録とか、加藤先生の人気とか何かお感じになられたことがあったのか
「将棋そのものは小さいお子さんから年配の方まで幅広い世代で楽しめるものだと思います。プロの将棋界でも藤井4段のような非常に若い棋士や残念ながら引退された加藤先生のような年配の方まで指されるもので、必要とされるスキルとか幅広いものが必要なんじゃないかなと思っているんです。
だからこそ世代が離れていてもひとつの盤で対局していい勝負になっていくというのは、将棋の世界のひとつの魅力なんじゃないかなと思ってます。」
 
 
――今までタイトルをずっと取り続けてきました。維持できたとすればどういった理由か
「中身そのものは年々変わっていくものなのでそれについていこうとか取り入れてみようとか繰り返して来たのが実感です。続けていく中で新たな発見もあるのでそういうのを大切にしていくことがずっと続けていくためには大事なことなんじゃないかなと思っています」
 
 
――4番目の年長獲得記録だと言われています。これからもタイトルを獲得するために何が必要だと思いますか?  
「戦術的な理解が大事だといつも思ってましてもちろん今までの経験に頼った指し方もあると思いますけど、それだけではなくて最新の流行っている将棋とかも取り入れていくことも一線で続けるためには必要不可欠なんじゃないかなと思います」
 
 
――目指したい将棋の本質はどういったものなのか
やっていく中でこれは今まで知らなかった、これはこういう仕組みでできていたのかとか何かしらの発見、進歩を指していく中で感じ取れたらいいなと思っています
 
 
――羽生さんだからこそ目指したい将棋の本質は?
「将棋の世界は長い歴史のある伝統の世界ですけれども盤上で起こっているのはテクノロジーの世界なので日進月歩で前に進んでいるわけです。
だから過去にこういう実績があるといってもこれから先、盤上で意味があるのかというとあまり意味がなくて常に最先端のところを追求していくという気持ちでいます。」
 
 
――当時から今の将棋界は想像されていたのか
「現状は覚醒の感があって全く想像ができなかったです。若くて強い棋士がたくさん出てきて将棋界に大きな活気を産んだ面もあるし、様々な形で取り上げていく機会も増えて相乗効果で今日があると思っております。」
 
 
――ご自身の今の強みは?
「足し算ではなく無駄なことは考えない引き算で考えていくのは経験によるところは大きいのかなとこれからもその部分は大切にしたいと思います」